盲導犬のお仕事を知ろう

12月11日(土)総合福祉会館で開催した「コミュニケーション支援研修会」では、兵庫盲導犬協会の藤原さんとPR犬のウェーブくんに「視覚障がい者盲導犬」というテーマでお話をして頂きました。

 

始めはパワーポイントを使って盲導犬について学びました。盲導犬全国に861頭、兵庫県内に35頭います。想像より犬数が少ないと思いましたが、1頭を育てるのに約500万円かかるそうです。
盲導犬として活躍している犬種は、ラブラドール・レトリバーゴールデン・レトリバーなどをよく見かけませんか?
その理由は、頭が賢い、人懐っこい性格、日本人の身長に適してる、ある程度力があるので視覚障がい者が誤って歩いてしまっても引き止める力があるなど、たくさんの理由がありました。

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お話の後はDVDを見ながら盲導犬の生涯について学びました。
盲導犬は生まれてから2ヶ月の間、母親のもとで過ごしながら犬の世界を知り、2ヶ月から1年間はパピーウォーカーのもとで人間の世界を知るそうです。その後は盲導犬協会へ戻り、適性検査や訓練を受けながら立派な盲導犬へと育ちます。
活躍するのは10歳までで、引退後は家庭に引き取られ、のんびりと残りの時間を過ごすそうです。盲導犬という役割が人生の全てではないのですね。

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DVDの後は視覚障がい者について学びました。
視覚障がい者の生活のしづらさの中に、 “ここ”、“そこ”といった抽象的な表現では場所を正確に把握することが困難な場面があります。そこで、役に立つのがクロックポジションという時計の数字の位置を用いて場所を表す方法です。一例として、「3時の位置にスープを置きますね」「6時の位置にハンバーグを置きますね」「9時の位置にライスを置きますね」という伝え方だとわかりやすいというお話がありました。これらは見える私たちにとっても普段から使うことができると思いました。

 

最後はPR犬のウェーブくんによるデモンストレーションがありました。

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↑ボールなど遊び道具で誘われても動かない様子

 

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↑椅子へ誘導している様子
 

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↑椅子の位置を伝えている様子

 

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↑座ったあと足の下で待機している様子

 

今回は館内での実践でしたが、町にでると車や自転車、私たち人間がたくさんいます。とても危険で誘惑の多いところで盲導犬としての役割を果たしていることを知りました。

 

そこで皆さんに、町で盲導犬を見かけた際の5つのお願い事があります
①声をかけない(ユーザーさんには是非声をかけてください)
②触らない
③食べ物をあげない
④信号機の色を伝える(犬は信号の色を認識しにくいです)
⑤写真を撮らないSNSに上げることでユーザーさんが特定される可能性があります)

 

盲導犬を見かけるとかわいいと思って触りたくなりますが、視覚障がい者が安全に過ごすことができるようにルールはしっかりと守っていきたいですね。


これまで、視覚障がい者の方を見かけてもどのように声をかけたらいいのか迷ったり、断られたらどうしようと思い、遠目から「大丈夫かな」と見守ることが多かったように思います。今回の研修会を通して、まずは「何かお手伝いしましょうか」一言声をかけることが大切だと気づき、これからは積極的に行動していきたいと思いました。

 

兵庫盲導犬協会の藤原さん、PR犬のウェーブくんありがとうございました。